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2008年3月 4日(火)
十八話 カッカしてしまうカラダに悪い(?)釣り カワハギ
釣りというのは、貴重な余暇の過ごし方のひとつのスタイル。だからボクたちが釣りにでかけるのは、本来ならばふだんの生活においてのストレス発散や気分転換のためのはず。ところが、このカワハギ釣りというのは、なぜか逆にイライラ感をつのらせ、ストレスをためこんでしまう釣りなのである。
ボクたち釣り人は、こんなサカナごとき相手に、どうしてここまで妙にムキになってしまうのだろうか。
ボクはその理由のひとつが奴の風体にあると思うのである。
カワハギには悪いと思うが、いくつか悪口を言わせてもらおう。口を尖らせ、まるでヒョットコ面を思わせられるようなマヌケ顔。そこには巧妙な策を練ったり、巧みな技の使い手をイメージさせる要素は微塵もない。さらに敏捷さのかけらすらも感じられないような円いカラダつき。いかにも誰にでもひょいひょいと釣れてしまいそうな見かけなのに、それがそう簡単には釣れないところに釣り人の心理として、大きな気持ちのギャップが生まれる。
さらにもうひとつの理由として、釣りの常識があてはまらないことにあると思う。
ハリに丁寧に付けたはずのアサリのムキ身エサ。仕掛けを上げると、まるで手品のように見事に消え去っている。他の普通の釣りのように、ガツガツとか、ブルブルッというようなサカナがエサを喰う感触があって、仕掛けを上げるとエサが無くなっているというのならまだ納得がいく。
だが、まるで怪盗ルパンのように、何も痕跡を残さずにきれいにエサを盗み去っていく。まれにガツンという明確なアタリがあって、あわててアワセをくれたとしてもハリがかりしない。運よくハリがかりさせると、「エッ?!」って思わされるほど強いヒキを見せて暴れる。とにかく意外性の塊り、それがカワハギというサカナなのである。
さらにもうひとつの意外性は、見てくれとはうらはらな美味しさにある。食べ方は追って後日書くことにしても、この冬場は肝も発達し、その肝をからめた醤油でいただく刺身は誰もが絶賛する美味しさだ。
(つづく)
【豊田直之プロフィール】
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