本文へジャンプします。


  • 釣果情報
  • みんなの釣行日誌
  • 魚攻略ガイド
  • 釣り場天気
  • はじめてフィッシング
  • つり通信

つり通信

海洋フォトジャーナリスト豊田直之が、サカナ達の優雅な姿と共に、海と釣りへの深い想いを語ります。

現在位置: つり通信 > 豊田直之フォトエッセイ > 二十一話 肝はキモいような、美味しいような  カワハギ

豊田直之フォトエッセイ RSS

2008年3月25日(火)

二十一話 肝はキモいような、美味しいような  カワハギ

Nifty080325_toyoda

ボクの仕事仲間が2人、口を揃えて「近いうちに釣りに連れて行って欲しい」と言う。それまでまったく釣りなんて話題にもならなかったので、これでまた海釣りの話題で盛り上がれるなと、ボクは密かにほくそ笑んだのだった。

だがさらに詳しく聞くと、2人ともまったくの素人で、釣り道具もクーラーもウエアすら何も持ってやしない。そして釣りたいものはなんと「カワハギ」だというではないか。

カワハギ釣りは難易度も高く、それこそベテランの域でもときには泣かされる厳しい釣り。初心者が果敢に挑んでも、ボウズをくらうか、船酔いでダウンがせきのやま。何も初回からそんなに難しい釣りではなく、のんびりと静かな内湾でキス釣りでもしませんかとなだめてみたが、2人は頑固にカワハギ釣りだと言い張る。

なんでそこまでカワハギにこだわるのかをたずねると、どことやらで、冬場のカワハギの肝は天下一の絶品。それを食べるなら自分で釣るしかないという話を聞いたからだという。

結局、そこまで言うならと、その2人を連れてカワハギ釣りに行くことになった。かろうじて1人2?3尾釣らせることもでき、喜んで帰る姿を見て、ボクもとりあえずホッとしたのだった。

それから3ケ月ほど経ったある日。再びその2人と会う機会があり、カワハギ釣りの話題となった。だが2人とも浮かぬ顔をしていた。どうやら肝が思ったほどというよりも、ちっとも美味しくなかったらしいのだ。

よく聞いてみると、肝をそのままたたき、それを醤油にとかして刺身を食べたらしい。刺身がうまく切れなかったこともあったのだろうが、生臭さが鼻について食べられなかったのだそうだ。

本来、肝は可能な限り崩さないように取ってから、水で半分に割った日本酒につけてよく洗い、そのあとさっと軽く熱湯をかけて湯引きすると生臭さは消える。このような下準備を施してから、肝あえのお刺身、または肝そのものをポン酢かわさび醤油でいただくのだ。

こうしてみると、改めて釣りとは、ただ釣るだけではない。食べ方も釣技のひとつだとボクは思うのだ。

(次回はハナダイ。連動企画として釣り方や食べ方を解説する動画、また隔週刊つり情報での月1連載も始まります)

豊田直之プロフィール

2008年3月25日(火) 豊田直之フォトエッセイ固定リンク