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2008年1月15日(火)
十一話 耐水圧抵抗力のナゾ? オニカサゴ
船釣りで、やや深めの場所から釣り上げると、サカナは浮き袋や目玉が膨張して飛び出してしまうもの。
そりやぁそうである。水圧というのは、水深10mごとに1気圧ずつ増加する。だから、例えば水深100mのところというと、このボクたちが暮らしている大気圧の1気圧を加えた11気圧というとてつもない圧力の世界である。
とてつもないといってもわかりにくいだろが、たかだか水深20mで硬式テニスボールが水圧でぺしゃんこになる。あのボールを握りつぶそうとしてもつぶせる人はよほどの人でなければ無理。この水深で水圧は3気圧である。3気圧ですらそんな圧力の世界なのだ。11気圧というと、その約4倍。少しはとてつもなさがわかっていただけただろうか。
サカナにしてみれば、11気圧の圧力で暮らしていたものが、いきなりリールで1気圧の世界につれてこられるのだから、ひとたまりもないはずである。理屈からすれば、圧力が11分の1になったということは、体積は11倍に膨張する。だから浮き袋のような器官に入っている空気(気体として何が入っているかは不明)は11倍に膨らむ。メバルやカサゴがぽんぽこぽんに膨らんでしまうのは当然のことなのである。
前振りが長くなってしまって恐縮なのだが、今回のテーマ魚のオニカサゴはなぜか膨らまない。オニカサゴの釣れる水深は、さらに深い120mとか180mとかである。圧力変化はさらに過酷なもののはずなのに。ここから電動リールで強引に引き上げられても、目は飛び出さないし、浮き袋や内臓もまったく飛び出さない。仮に水面でハリが外れても、プカプカ浮くどころか、元気に尾びれを振って海底に向かって泳いでいってしまう。
おそらくカラダの組織構造がほかのサカナと違い、水圧変化に耐えられるものになっているのだろう。だがこうして考えると実に不思議である。オニカサゴは、なんのために水圧変化に対する抵抗力を勝ち得たのだろう? 水深約150mの海底にじぃっと潜むこのサカナに、「神」はなぜこの耐水圧の機能を与えたのか? 考えれば考えるほど眠れなくなってしまいそうな話なのである。
(次回へつづく)
2008年1月15日(火) 豊田直之フォトエッセイ|固定リンク







