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2007年12月11日(火)
七話 釣り師はつくづくお馬鹿さんなもの
シマアジは、それこそ30cmぐらいのサイズなら、伊豆や三浦界隈でもそう珍しくなく海の中で見ることができる。特に砂地の広がる海域やそこに根が点在するような海域ではよく見られるものだ。
自分たちの気の向くままなのか、彼らは一日でかなりの距離を回遊する。特に小型から中型は大きな群れを作って移動する。大型になると、どちらかというと単独行動になる傾向が強い。
ある日のこと。ボクはその日は伊豆七島の式根島で潜っていた。この日の天気はどん曇り。風は無く波も穏やかだったのだが、なにか雨でも降ってきそうな感じの日だった。海の中は、晴れた日と曇りの日ではまったく海の中の見え方が違う。いくら透明度のいい式根島の海でも、心の晴れない、少し不気味な雰囲気の漂う海中だった。
地元のダイビングガイド氏に案内されて潜っていた。ちょうど小さな根をかわすと、こじんまりとした、だが真っ白な砂地の広がる場所に出た。きっとここは、晴れた日に潜ったら、それこそ爽快感にあふれた、気持ちいい場所なんだろうなぁなどと考えていたりした。ふと背後に何か気配を感じ、振り向いてみると驚いた。3~5kgサイズのシマアジが100、いや200~300尾という単位の群れで回遊してきたではないか。先頭の集団は、砂地のエサを捕食しているようだ。漏斗状の口を伸ばして砂ごと海水を吸い込み、エラからドバッと砂を吐き出していた。じっと動かずにいたボクとガイド氏の周囲をゆっくりと通過して、去っていった。
そのとき、ボクの頭の中では、昔、神津島のヒラ段という沖磯で、超良型シマアジを爆釣したときの記憶が甦っていた。その日はちょうどこの日見た3~5kgサイズを7枚ゲット。しかもバラシは20数発ほど。シマアジはヒキが強い上に、唇が弱く、口切れやハリス切れ、根ズレでミチイトを飛ばしたりと、派手なバラシの連続だったが、とりあえず7枚ゲットできたのだった。朝、磯にあがってから昼過ぎぐらいまで、とにかく入れ食い状態。翌日は筋肉痛で動けなくなるほどだった。
しかし釣り師というのはつくづくお馬鹿さん。爆釣したり、大物釣ったり、いい思いをした記憶がいつまでもカラダと頭の中にしみ込んでいる。ちょうど博打で大もうけした感触が忘れられず、すってんてんになるまでつぎ込んでしまう心理によく似ている。
そう考えると、今までにどんだけ釣りにお金をつぎ込んだろう? つい先週もカミさんに内緒で竿とリールを買ってしまった。(笑)
(次回へつづく)
2007年12月11日(火) 豊田直之フォトエッセイ|固定リンク







