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2010年11月30日(火)

【ゆるゆる釣り部】大物オニカサゴ専門船で真剣勝負! 前編:船形 真澄丸
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館山の大物オニカサゴ専門船で真剣勝負! 前編(船形 真澄丸

⇒後編はこちら


 ぜんぜんゆるくないオニカサゴ釣り

当サイトの編集長と次の取材先を相談していたら、館山でのオニカサゴ釣りを提案された。私にとってオニカサゴというと、アマダイ釣りでたまに掛かる嬉しい外道というイメージで、専門に狙ったことは一度もない。

いまいちピンとこないオニカサゴ釣りなのだが、編集長が「オニカサゴ専門の船宿があって、玉置さんが取材したらおもしろそうなんですよ。フフフフフ。」となぜか笑いながら強く勧めてくる。

オニカサゴ専門の船宿って初めて聞いた。これはなにかあるなということで、カメラマンを連れて真澄丸までいってきた。


オニカサゴ
遠いと思って早めに出たけど、早く着きすぎて真っ暗。
館山ってイメージより近いね。

船宿:船形 真澄丸:@niftyつり
住所:千葉県館山市八幡822-7
電話番号:0470-28-0003
料金:オニカサゴ船(午前船) 乗合1人10,000円(エサ、氷付き)
備考:出船時間は5:30。集まり次第出船。午後船は9,000円、季節の魚を狙う。こちらは12:00集合、13:00出船。

館山というと房総半島の最南端ということで相当遠いイメージだったが、館山自動車道を木更津で一度降りなくてはいけなかったのは昔の話。今は富浦インターまでつながったため、安くなったアクアラインと併用すれば、それほど時間はかからなくなったようだ。

しばらく車で仮眠をとり、船宿の電気がついたところで中に入る。初めての船宿というのはいつでもドキドキするものだが、当サイト編集長の笑い声を思い出して、さらに不安が高まってきた。

まずは船長とこの日一緒にさせていただく去年の横綱(一番の大物を釣った人)にご挨拶。笑顔で迎えてくれた二人だが、船宿内にどこかピーンと張りつめた緊張感がある。なんだこの喉が乾いてくるような感じは。


オニカサゴ
右が高橋船長、左が昨年の横綱。
ちなみに真澄丸の「真澄」はおかみさんの名前。


オニカサゴ
横綱が釣った去年一番の大物。なんと2.9キロ。


この船宿は一年中オニカサゴを狙っている数少ない専門船。オニカサゴというと鍋に入れたら最高な冬の魚というイメージがあるが、ここでは春夏秋冬オニカサゴ。しかもオニカサゴといっても、数を狙うのではなく、極端な大物狙いの釣り。

狙うのは50年以上を生き抜いた大物。船長はオニカサゴ歴15年のベテランだが、長年生き抜いたオニカサゴに比べれば初心者ですと言い張っている。年間100日、10年間通った常連さんが「やっと初心者になれました」というような釣りなのだ。船長や常連さんが初心者なら、私は胎児だな。オニカサゴ釣りだけに鬼胎児。なんてな。編集長が笑っていた理由がなんとなくわかってきた。

そんな大物オニカサゴ釣りだが、この船宿では4つの独自ルールを設けている。

1、800グラム以下はリリース。
2、持ち帰りは4匹まで。
3、針の数は2本まで。
4、魚がかかったら外道だと思っても口に出さない。

1と2は資源保護のため。800グラムというと普通だったら喜んで持ち帰る大きさだが、この船宿ではリリースサイズ。オニカサゴは成長が遅く、持ち帰りOKの大きさになるまで10年掛かるらしい。キープサイズを釣るのに三年かかった人もいるそうだ。ということは、今日の夕ご飯はハンバーグかな。

3は三本針より二本針のほうが釣れるから。私が説明できるレベルの話ではないので、詳しくは船長に直接聞いて欲しい(ほら、釣りにあまり詳しくない釣りライターだから)。

4はサメやフグなどの外道だと思うとリーリングが雑になってしまうから。オニカサゴの引きは針の掛かった場所や口の開け方などによって様々。魚が掛ったらすべて大鬼(大きなオニカサゴをそう呼ぶ)だと思って慎重にやりとりをし、タモに収まるまで決して気を抜かないこと。30回掛かっても1回しか上がらないのが大オニカサゴ釣りなのだという。底物の魚は針に掛かったらまずばれないイメージがあるが、この話の正しさは後ほど海の上で実感することとなる。

そんな船宿だからハマる人はどっぷりとハマり、合わない人は二度と来ないそうで、ここに通っている常連さんは、いろいろな釣りを経てオニカサゴにたどり着いたという人が多いそうだ。午後船ではゆるい感じでアマダイやカイワリの乗合をやっているが(本来なら私はそっちに乗るべきだよね)、船長は基本的にオニカサゴにしか興味がない。オニカサゴ釣りっていうと、「食べるための釣り」というイメージがあったのだが、それだけではない何かがあるようだ。

どうやら大鬼はちょっときてパッと釣れるような魚ではないようだが、ここまできたのだから今日は船長の流儀に乗っ取って、真剣に大鬼を狙ってみようと思う。正直、「ゆるゆる釣り部」としては場違いな釣りにきてしまったなと思ったけどね。ああ胃が痛い。


オニカサゴ
大鬼釣りの魅力をアツく語る船長。真剣にやるのなら釣り初心者も大歓迎。
平日などはお客さん一人で船を出すことも多いそうだ。


 カメラマンにきてもらいました

さて私の場合、釣りの取材は一人で行くことが多いのだが、どうしても自分が釣っているシーンの写真が撮れないので(無理に撮ろうとして魚をばらした経験多数)、今回はカメラマンをやっている友人の岡田孝雄氏に同行してもらった。


オニカサゴ
好物は炭水化物。ご飯を炊かせたらかなりの腕前。


見た目が若干ほのぼのしている彼なのだが、実は釣り師のバイブルである開高健の「オーパ!」で撮影を担当した高橋曻の弟子であり、今日のようなアドベンチャー(私にとっては)な釣り取材にもっともふさわしい人物だったりする。

そして私はというと、オーパ!は全シリーズ読んでいるが、もちろん開高健の弟子でもなんでもない。


オニカサゴ
別角度からもう一枚。


彼は高橋曻の弟子なのに釣りへの興味がなかったのだが、私と一緒に釣りに行ってくれる友人を増やそうと、数ヶ月前からカワハギやアマダイなどの「食べておいしい釣り」に引きずり込み、ようやく「やっぱり高橋曻の弟子としてはAbuかな」とリールを購入するくらいまで洗脳に成功したところ。

高橋曻の弟子が撮影するのにふさわしい大鬼が釣れるといいけれど、釣れる自信は全くない。


オニカサゴ
船は船宿から少し離れたところにあるので車で移動となる。


オニカサゴ
船長からいただいた「鬼閃流の大鬼釣り」の、
裏面にある鬼カサゴレシピを熟読中。
読むところが間違っているな。


オニカサゴ
真澄丸を見送る真澄さん。


 道具と仕掛けについて

今回の釣りでは全面的に船長の流儀に従うため、自分の道具は一切使わず、すべて船宿で調達をした。竿は船長がいつも使っている船宿オリジナルのオニカサゴ専用竿を特別に拝借。グラスソリッドでとてもしなやかな竿だ。

リールはアタリがあったときに糸をすぐ送り出せるように、親指でクラッチが切れるダイワ製が船長のお気に入り。仕掛け投入時の糸の出方がちょうどよくなるようにブレーキの強さが調整してある。ドラグ調整は大鬼が掛かった時、根にもぐられないようにきつめが基本。糸はPE6号。


オニカサゴ
今までに船長が何匹もの大鬼を仕留めてきた道具をお借りしました。
鬼ヶ島から持ち帰ったような竿だぜ。


仕掛けは船宿で売っている船長が長年の経験から編み出した2.6メートルと長めの仕掛けを購入。自作する場合は仕掛け図をサイトで公開しているのでこれを基本とするのがおすすめ。


オニカサゴ
2.6メートルと人数制限をしている船だからできる長めの特注仕掛け。
他の船宿で経験があっても、まずは船長の教える通りに釣ってほしいとのこと。


オニカサゴ
天秤の形にもこだわりアリ。オモリは150号。潮の早い日は200号を使う。


オニカサゴ
エサはサバの切り身。針を掛ける場所、タコベイトの使い方など、
船長のこだわりは細部に渡っている。


 一投目からオニカサゴさん、こんにちは

大鬼を狙うポイントは多数船長の頭にインプットされているのだが、その中から潮や風の向きにあわせてセレクトした場所を、だいたい一日16ヶ所回る。大鬼が狙えるポイントはとても狭いので、一か所に対して1流し1投のみ。16ラウンドの真剣勝負だ。

投入のタイミングが遅れればその分ポイントからずれて不利になるので、万全の準備をして船長の合図を待つ。仕掛けの入れ方は、エサの付いた針を用意された磁石マットに丁寧に並べ(適当に並べると投入時に引っ掛かって切なくなる)、竿を竿掛けに置いた状態でクラッチを切り、オモリを海へと落とす方式。水深は100~200メートル前後。

仕掛けを海へと入れたらリールのメートル表示をよく見て、オモリの着底前にクラッチを戻し、そっと着底させるのがポイント。オモリがドスンと底に着くと、大鬼はびっくりして隠れてしまうそうだ。それだけ神経を使う釣りなのである。

着底後の釣り方は細かいことをいえばいろいろあるそうだが、船長が釣り人の力量に合わせた指導をしてくれる。私の場合、とりあえずは置き竿でいいからオモリが底で立った状態をキープするのに注力することを勧められた。


オニカサゴ
置き竿といっても常に手を離さずに、手持ちと同じ状態でかまえて
アタリに備えることが肝心。大鬼ほどアタリは小さいらしい。


オモリを底に立てておく。それくらい簡単なようだが、船長が狙う場所は極端なカケ上がりかカケ下がりのポイントだけなので、カケ上がりだったら常に少しずつ糸を巻いてやり、逆にカケ下がりだったら糸を出していってやらないと、オモリが立った状態をキープできない。

今までここまで真剣に棚をとったことなんてないなあと思っていたところで、竿先にククッと小さなアタリを感じた。竿を手にしていなければ気がつかないレベルのアタリである。オニカサゴはエサをとるのがヘタな魚なので、すぐにクラッチを切って親指でサミングしながら糸を出し、竿を手持ちに切り替えて、エサがオニカサゴから離れないようにする。この次のアタリを待つ間の恋愛にも似た緊張感がたまらない。


オニカサゴ
アタリがあったときにクラッチを切って糸を送り込む作業が楽しい。


相手が大鬼の場合、三度目のアタリでソフトに聞き合わせるのがここの流儀だが、二回目のアタリがけっこう強かったので、すぐに合わせてしまった。こういうアタリは小物か外道が多いらしい。

ちょっと手でリールを巻いてみると、オモリ以上の重さがあるような気がするが、肝心の引きが感じられない。魚が掛かっているような、いないような。しかしここで「外道かな」とか「ゴミかも」なんて口に出すのはご法度なので、きっと物静かなオニカサゴだと信じて、竿を竿受けに戻して電動リールでゆっくりと巻いていく。

あと20メートルとなったところで船長に声を掛けて竿を手で持ち、船べり停止装置が作動する前からリールを手で巻く。急に巻き上げが止まると、それだけでオニカサゴがばれてしまうことがあるためだ。

水面下に天秤が見えてきたところで竿を上げて天秤を掴み、ハリスが緩まないようにすばやく手繰る。

唇にギリギリ針が掛って上がってきたのは500グラム程のオニカサゴ。船長にタモですくってもらい、やったぜ本命ゲット!と一瞬思ったが、この真澄丸では残念ながら「10年早い」リリースサイズだった。


オニカサゴ
オニカサゴは深い海の魚だが、ゆっくり釣りあげれば内臓や浮き袋が
飛び出したりということはまずないようで、元気に海へと潜っていった。


オニカサゴ
オニカサゴの体は毒針だらけなので、針はずしは船長に任せる。
唇の皮一枚に刺さっていたので、もうひと暴れしたら針は外れていたな。


オニカサゴ
これが最初で最後の一匹になる可能性が高いので、一応記念撮影。
ちなみに毒針が怖いのでオニカサゴを持っているのは船長だ。


というところで、次回に続きます…。
 ⇒後編はこちら

船宿:船形 真澄丸:@niftyつり
住所:千葉県館山市八幡822-7
電話番号:0470-28-0003
料金:オニカサゴ船(午前船) 乗合1人10,000円(エサ、氷付き)
備考:出船時間は5:30。集まり次第出船。午後船は9,000円、季節の魚を狙う。こちらは12:00集合、13:00出船。


文:玉置豊・写真:岡田孝雄

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