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2009年6月 1日(月)
【月刊まるかつ】6月号「チャレンジ!マダコの手釣り」
梅雨も近づき気温も水温も上がってきました。夏が近づくとマダコのシーズン開幕。マダコと言えば珍しくなった「手釣り」です。(まるかつ)
手釣りってどんな釣り?
ベテラン(年配?)の釣り人ならばまだしも、若い人や最近釣りを始めた人達には「手釣り」と言ってもイメージが湧かないかもしれませんね。
「手釣り」とは、竿やリールなどのタックルを使用しないで、木枠に巻いた手釣り糸(渋糸とも言う)に仕掛けを直接接続して釣る方法です。竿に相当するのが自分の腕、リールに当たるのも自分の手である所が「手釣り」と呼ばれる由縁です。
指先に糸を乗せアタリを取るので、直接的に体で感じる事ができ、海の中と直接対話しているような感触が味わうことができます。
最近ではマダコとスルメイカの一部、マダイのビシマ位でしか体験することができませんが、昔はアジやイサキなどのコマセ釣りでも盛んに行われていました。
マダコの生態
マダコは根回り(岩礁帯、砂地のバラ根)に生息し、甲殻類や貝類、小魚を捕食しています。寿命は1年から1年半と言われ、海の生物の中では短い方でしょう。
従ってシーズン初期(梅雨時)は比較的小型が多く、秋に向けて大型が多くなります。餌をどんどん食べて短期間で大きくなり、環境が良いと3~5kgにまで成長します。食欲は旺盛で、吸盤の力と鋭いくちばしの様な口で、硬い獲物もバリバリと噛み砕いてしまいます。
間違ってもタコの口の近くには手(指)を近づけてはいけません。大怪我をしてしまうので、床に張り付いたタコをはがそうと手を下に差し込むような事は厳禁です。
胴体と足の間を、上から親指と人差し指で輪を作るようにして持ちます。この時小指が上になるように持てばタコに指をかじられる事はありません。タコは足を絡め吸盤で攻撃してきますが、しばし我慢網に入れてしまえばこちらの勝ちです。
何を用意すれば良いの?
マダコの乗合船に行く場合はほとんどの物が船宿で調達できるので、食料・飲物を除けば、雨具とクーラー、タオルさえあれば大丈夫。
手釣りの道具は船宿で借りることができます。ほとんどの場合は無料です。
仕掛けであるタコ テンヤは船宿で購入することがですし、エサのカニも乗船料に含まれている事がほとんどです。
しかし、もちろん、自分でこだわりの道具をそろえてもかまいません。
・手釣り道具(渋糸26~28号50mを木枠又は丸枠に巻く)
・タコテンヤ
・輪ゴム(大・小)
・ナイロン28~30号 → 先糸用
・ナイロン16~18号 → テンヤ接続用 (無くても良い)
・接続具(大き目のサルカン、スナップ付サルカン)
・ハサミ
・砥石
・タコを入れておくネット(口を紐で縛れるもの)
・グローブ、指サック
出かける前に準備しておく事
【渋糸に先糸をつなぐ】
先糸はナイロンの28~30号を2~3m、直接結ぶ場合は電車結びで良いですが糸が太いので湿らせてゆっくり締めこむ事。
また糸の切り口はライターで炙って丸めておけばスッポ抜けることがなくなります。先糸の先には丈夫な大型のスナップ付サルカン(ハワイフックでも良い)を深海結びで接続します。
接続具を使う場合は丈夫な大型のサルカンを使用し、深海結びで接続しましょう。この場合も切り口をライターで炙り丸めておくことを忘れないように。
スナップ付きサルカンの部分にビニール、リボンなどを結び付けておくとタコへのアピールが増す(?)と言われています。確かに海中でヒラヒラするので目に留まりやすいですね。
写真はコンビニ袋を細長く切って取り付けています。
【タコテンヤにカニを縛るタコ糸を付ける】
市販されているタコテンヤに既に付いている場合もありますが、付いていない場合はタコ糸を結んでおいた方がカニをしっかり縛って固定しやすいです。
タコ糸を1m位に切り、タコテンヤに結び付け、反対側は結びコブ(一重結びで可)を作り、船上で輪ゴムを取り付けます。
この輪ゴムで最後にタコテンヤに止め、糸が緩まないようにします。
輪ゴムを2本重ねて親指と人差し指を下から入れ外側へ。指先を下に向けると輪ができます。
二つの輪を重ねて、そこにタコ糸の先端を入れゆっくりと締めます。
【根掛かり対応の捨て糸の準備】
タコを狙う場所は根掛かりのキツいポイントが多いものです。そのため、ガッチリ根掛かりしてしまった場合は、道糸も太くタコテンヤも丈夫なのでなかなか切ることができません。しかし、そうそう簡単に切れてばかりでは、タコテンヤも高いことですし、仕掛けの消耗が激しくてたまりません。
そこでナイロン16~18号を20cm位に切り、写真のような輪を八の字結びで作っておきます。
これをタコテンヤと先糸につないだスナップ付サルカンの間に入れることで、根掛かりした時に、捨糸の役割を果たして切れてくれるのです。
タコの誘い方と注意
底に着けたエサを魅力的にコヅけ!
マダコは海底にすむターゲットです。常に仕掛け(餌)が底に着いていなくては勝負になりません。またエサは死んだカニですので、あたかも生きていているかのように動きを与えマダコを誘惑しなくてはなりません。
カニをテンヤに付けるときは縦でも横でも構いませんが、タコ糸でたすき掛けにしてしっかり固定しますが、重要なポイントが二つあります。
(1) 緩まないように注意してタコ糸を巻きつけること
(2) カニを掛けバリから離して付けること
○重さを感じたら
仕掛けを投入して底に着いたら、道糸を2~3m余分に出しておきましょう。
テンヤを底に付けた状態で道糸を張ったり緩めたりを繰り返し、テンヤ(餌)を動かしてやります。この動作を「コヅく(小突く)」と言います。
この動作が大きすぎると、テンヤが底から離れタコの乗りが悪くなります。また、海底をズルズルと引きずると根掛かりがしやすくなってしまいます。
そこで小さくコヅいてカニを躍らせ(20回位)、動きを止めて30cmほどゆっくりと聞き上げます。
この止める動きでタコに乗る機会を与えるのですが、タコがエサを食べようとテンヤに覆いかぶさるとジワーッと重さが増します。これを聞き上げる動作でキャッチしなくてはなりませんので、テンヤだけの重さを指先と頭にしっかり覚えさせておく事が大切です。
重さを感じたら(違和感を感じたら)直ぐにアワせず、静かに待ったり、再度軽くコズいてタコの食欲を刺激します。そして、10秒ほど待ってから道糸をしっかり持ち一気に引き上げます。
この時、躊躇したアワセではハリがタコに刺さりませんので思い切って大きくアワせる事が重要です。
重さが持続し引き上げられればタコがしっかりハリ掛りした証拠、後は道糸を緩める事なく手繰り上げればOKです。水面では必ずタモですくう様にしましょう。
○軽さしか感じられない場合
逆に、感覚が軽ければタコが乗らなかったか、居なかった訳ですのでコヅき動作に戻ります。
タコではなく海底に引っかかった違和感の場合もあり、このタイミングで根掛かりする場合もありますので、強く糸を張って急に緩めたりして外しましょう。どうしても外せない場合は、船べりの棒などに道糸を巻きつけ船の力で切るようにします。
手繰り上げている途中で急に軽くなった場合(アワセが弱かったり糸を緩めてしまった時)は、直ぐに仕掛けを海底に送りなおします。マダコは結構エサに対して貪欲で、直ぐに乗りなおしてくる事が良くあります。運が悪ければ、隣の人に直ぐ行ってしまう事も多いのですが・・・。
タコの締め方と下ごしらえ
タコを締める時に、「目と目の間を千枚通しで刺す」という説明をよく見ますが、以前タコ漁師に教えてもらった、もっと簡単で確実な方法がありますので紹介しましょう。
タコの胴体(頭の様な部分)と足の部分の間には隙間があります。その中間につながった部分があるのですが、この部分に指先を入れて切り離してしまいます。これだけでもタコは絶命するのですが、胴体を裏返し内臓を取ってしまえば完璧です。(ここまで船上で行います)
後は家に帰ってからゆっくりと下ごしらえ、残りの内臓と目、くちばしを取り除きます。目とくちばしを取る時は包丁を使った方がやりやすいでしょう。
次に粗塩を使って塩もみを行います。10分位かけて吸盤まで丁寧にやりましょう。ヌメりが取れるまでしっかりやる事が美味しく食べるコツです。
塩もみ後の水洗いも丁寧に、手を抜くと茹でた時にお湯に塩が溶け出してしょっぱくなりますので注意しましょう。茹でる時は足の先からゆっくり沈め、1kgまでのタコならば2~3分が目安です。(小振りは短めに)
マダコに舌鼓!!
茹でたタコはまず足を1本切って食べてみてください。熱々の状態で口の中に潮の風味が広がる味わいは、このタイミングでないと味わう事ができない体験です。
茹でたタコでは作れないのがタコ飯です。
火が入ると縮むので、下ごしらえしたタコを親指の頭位の大きさに切ります。日本酒と塩、醤油を少々加えるのがポイント。タコは多いかなと思うくらい入れて丁度良いと思います。
あとは普通にご飯を炊く要領で良いですが、生タコでないときれいな桜色のご飯に仕上がりませんし、独特りの風味を出す事もできません。是非タコを釣ったときはお試しあれ。
その他にも、
・ お刺身
・ 天ぷら
・ タコキムチ
・ 酢の物
・ タコとオクラの明太子和え
・ やわらか煮
・ タコ焼
冷凍保存する場合は、下拵えまで行い、保存袋に入れて空気を抜き冷凍します。食べる日の朝に冷蔵庫に移し解凍してから塩もみして茹でれば美味しく食べられます。
最近スーパーに並ぶタコはアフリカから輸入したものが多いようです。是非自分の手で釣り上げて、美味しさを確認してみてください。噛めば噛むほど旨みのにじみ出てくる美味しさですよ!
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