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2012年2月14日(火)

【釣り好きオジサンの釣技指南】ポイントの謎解き-その4~サラシから判断
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堤防や磯からのウキフカセ釣りでは、サラシがポイントの目安になることが少なくありません。サラシは風と波と地形によって発生する「魔法の泡立ち」です。


 サラシが魚たちを呼び込む理由

サラシは洗った木綿などの布を日光に当てて白くすること。または、白くした布を意味する。♪包丁一本サラシに巻いてぇ♪というときのサラシは晒し木綿にほかならない。あるいは、野菜などのアクやヌメリを取り除くために水に浸けたりすることを「晒す」と言い、晒した野菜は白くきれいになる。
打ち寄せた波が岩にぶつかると、砕け、跳ね上がり、白く泡立つ。それがちょうど海面を晒したように見えたのだろう。だからサラシ。


Sarashiph1 磯際の海面が白く泡立つと魚も活気づく


では、サラシがなぜ魚を集める「魔法の泡立ち」になるのだろう。
岩にぶつかった波は砕け、様々な方向へ跳ね返る。砕けた波は大気を巻き込み、おびただしい気泡が海面に広がる。
磯に這い上がった波が流れ落ちるときにも、岩の凹凸や付着したフジツボやイガイなどによって細かく砕かれ、気泡を含む白い海水が海面へ雪崩落ちてゆく。いわゆる引き波だ。

海面に広がった気泡は酸素を抱き込んでおり、海中にたくさんの溶存酸素を供給する。
魚は水中に棲む生物であるが、人間と同じように酸素がなければ生きられない。ただし、彼らが消費するのは大気中の酸素ではなく、水に溶け込んだ酸素(溶存酸素)だ。それをエラ呼吸という独自のシステムで取り込んでいる。
したがって、溶存酸素量は魚の活性を左右する。
溶存酸素はさまざまな方法で生産されるが、サラシは磯魚にとって重要な酸素供給源である。


Sarashiill1 サラシの集魚効果


それだけではない。
サラシは釣り人の気配をかき消してくれる。
海面に拡がった白い煙幕はブラインド効果を生み出す。岩に砕ける波音も釣り人の発生する音を消し去り、魚たちは安心してサラシの周辺に集まるのである。
しかし、溶存酸素とブラインド効果だけでは、警戒心の強い魚たちまでサラシに誘引される理由としては不十分だ。
魚たちがサラシに集まるのは、波で掻き落とされた稚貝、カニ、エビ、海藻などといったエサが漂うことを知っているからにほかならない。

海中では音が陸上よりも4倍も速く伝わる。
したがって、遠くからサラシの音を察知した魚たちは、サラシ=エサ+溶存酸素ということを本能的に嗅ぎ分け、集まってくるのである。そこに釣り人がいてもブラインド効果が警戒心を和らげる。
そういう状況へ釣り人のコマセが加わると、魚たちは狂ったようにエサを求めて乱舞する。


 有効サラシの見分け方と攻略のヒント

サラシはポイント選びに欠かせないアイテムだが、どんなサラシでもいいというわけではない。
岩に砕けた白泡が扇状に拡がるようなサラシは魅力に乏しい。そこには天然のエサを掻き落とすだけの力がなく、掻き落としたエサや溶存酸素を海中へ巻き込む力も欠けている。
一定の周期で砕け、這い上がり、引き込まれるサラシこそ、魚たちが好むサラシなのだ。
そういうサラシは激しくぶつかり合いながら、沖へ払い出す流れを生み出す。天然のエサやコマセも沖へ払い出し、潜り込み、魚たちがエサを食べやすい状況を作り出す。

沖へ延びる先細りのサラシほど払い出す力が強い。
払い出すサラシが発生するためには潮の流れが必要不可欠だ。潮の流れはサラシを引き寄せ、たぐり込み、エサやコマセの帯を作ってくれる。
磯の流れと合流したサラシは潮下側へ引き込まれ、「潮の壁」と呼ばれる潮目を形成する。引き込まれたエサやコマセは、潮の流れに乗ってさらに遠くまで運ばれて魚を呼び寄せる。
ようするに、サラシ場では魚の居場所が帯状に集約され、狙い所が分かりやすくなるわけだ。


Sarashiph2 使えるサラシと使えないサラシを見極めよう


サラシではなぜエサやコマセが海中深く送り込まれるのだろう。
ぶつかりあった波が潜り込む流れを作るせいもあるが、サラシは空気を含んだ気泡の集まりなので比重が小さく、エサやコマセが沈みやすいというのも大きな理由だ。
したがって、サラシ場ではウキも浮力を失うし、道糸も沈み気味になりがち。そのへんの理屈を理解しておかないとサラシ場攻略を誤る結果となるので注意しよう。

サラシに巻き込まれたウキや道糸は沈みやすくなる。それを利用してタナを探る方法も効果的である。
ただ、沈むにまかせてしまうと、仕掛けはポイントを外れて必要以上に沈むことが多い。道糸を張って沈みすぎを防ぎ、浮かず沈まずのサスペンド状態をキープしながらウキを流し込み、引き込みの強い場所(=潮目)に差し掛かったら、道糸でウキの沈みをコントロールしながら送り込んでやるのがコツ。


Sarashiph3 ライン操作がサラシ攻略の明暗を分ける



 立ち位置選びとラインコントロールが重要

サラシと立ち位置の関係については前回も解説した通り、基本的にはサラシの起点か潮上側に立つのが正解だが、風などの影響によって有利な立ち位置は変わってくる。
肝心なのは、狙うポイントへ仕掛けを入れやすい立ち位置を探すことであり、条件によっては投入するときと送り込むときとで有利な立ち位置が違うケースもある。その場合には仕掛けを投入してから、立ち位置をずらしながらポイントへ仕掛けをキープすること。

潜り込む力の強いサラシは、いったん道糸を吸い込むと思うようにコントロールできない。
その状態を「サラシに道糸を取られる」と言うが、逆に暴れる道糸を押さえ込んでくれる力を利用して強風の影響をかわすことも可能だ。そういう場合には「サラシに道糸を噛ませる」などと表現する。
道糸を取らないように操作するか、逆に噛ませてコントロールするかは状況次第である。


Sarashiph4 大ザラシにはいくつもの潮目ができる


大きなサラシを「大ザラシ」と言うが、この場合は複数のサラシが発生していることが多いため、サラシのなかにもサラシ同士がぶつかり合う潮目ができ、ポイントの目安となる。
こういう潮目をポイントにするときに注意しなければならないのは、サラシが一定のリズムと強さで発生しているかどうかである。リズムが不規則だったり強さがまちまちだったりすると、潮目の位置が絶えず変わってコマセの供給パターンが一定せず、魚の反応も一定しないからだ。

ポイントになりやすいサラシを見つけるコツは、
1:一定のリズムを保ちながら発生していること
2:発生する潮目の位置がコロコロと変わらないこと
3:払い出す勢いがある程度安定していること
この3つである。
これらの要素を併せ持つサラシは魚を呼び込む力が強く、ポイントも見つけやすく、攻めのパターンも構築しやすい。


 釣り好きオジサンの釣技指南:バックナンバー

【釣り好きオジサンの釣技指南】はじめに ~釣り、このすばらしき世界へ (第1回)
【釣り好きオジサンの釣技指南】自分の力で釣り場と釣り座を選ぶ (第2回)
【釣り好きオジサンの釣技指南】ポイントの謎解き-その1~地形から判断 (第3回)
【釣り好きオジサンの釣技指南】ポイントの謎解き-その2~潮流から判断 (第4回)
【釣り好きオジサンの釣技指南】ポイントの謎解き-その3~風と波から判断 (第5回)


文・写真・図:高木道郎

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