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2011年10月31日(月)

【釣り好きオジサンの釣技指南】ポイントの謎解き-その2~潮流から判断
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前回はポイントの選び方をご紹介しました。
ベストポイントに入っているにも関わらず、残念な結果にならないためには、さらに
「潮と地形の関係」を理解する必要があります。


 我らの釣り場をめぐるさまざまな潮流

海にはさまざまな流れがある。
黒潮や親潮、メキシコ湾流のようにつねに一定方向へ流れ続ける大河に似た流れを「海流」と呼ぶ。海流は周辺海域の水温や魚の分布、周辺地域の気候にも大きな影響をおよぼす。
日本列島沿岸部は南からあたたかい水を運ぶ黒潮や対馬海流、北から栄養分豊富な冷たい水を運ぶ親潮などに囲まれており、世界でも類を見ないほど多種多様な海洋生物が生息する海域だ。

これとは別に、主に地球の自転、太陽と月の引力によって引き起こされる1日平均2回の海面の昇降現象を「潮汐」と呼び、それによって発生する流れを「潮汐流」「干満流」と呼ぶ。地球と月と太陽が一直線に並ぶ満月(望)と新月(朔)の頃は海面がもっとも大きく昇降するため海水の移動は激しくなり、流れも速くなる。これが「大潮」だ。反対に地球と太陽と月が直角になる半月(上弦・下弦)の頃は海面の昇降幅が小さく、流れも遅くなる。これが「小潮」。
月は一カ月に1回ずつ、満月→半月→新月→半月→満月というサイクルをくり返す。それによって潮汐も大潮→中潮→小潮→長潮→若潮→中潮→大潮というサイクル(潮回り)をくり返す。海の呼吸のような1日2回の潮汐流は沿岸部の生物たちを活気づけ、魚の行動を左右する。


Chousekizu_kai3


風によって発生する一時的な流れもある。これを「表層流」「吹走流」などと呼ぶ。海流も風が原動力だが、海流を引き起こす風は貿易風のようにつねに方向が変わらない風であるのに対して、表層流を引き起こす風は気圧配置などによってたえず方向と強さが変化する。流れる方向や強さもコロコロ変わり、海流や潮汐流ほどのパワーや影響力はない。


 ある日、ふと、潮を読めるようになる不思議

海流に近い離島や半島先端部は海流、海流から枝分かれした分岐流、海流が蛇行したときに発生する渦の影響を強く受け、数日にわたって同じ方向へ潮が流れることも珍しくない。しかし、大半の沿岸部では潮汐流によって流れが決まる。
通常、満潮時(上げ)と干潮時(下げ)で潮は反対方向へ流れる。ところが、場所によっては潮の方向や流速が一定しないこともある。その原因は地形である。


Tsurizuki412 地形が潮の流れを変え、ポイントの位置を変える


東京湾口のように両サイドの陸地が狭まって「水道」と呼ばれる地形を形成している場合、そこを通過する潮汐流は集められて流速を増し、ときには「本流」となって駆け抜けていく。また、海に突き出た岬にぶつかった潮は方向を変えて先端へ向かう。


Tsurizuki423 速い潮流がウキをイッキに遠くまで押し流すこともある


図に示したのは、東京湾口に面した三浦半島久里浜沖にある東電(東京電力久里浜火力発電所)沖防波堤先端部の潮流モデルだが、釣り場を取り巻く流れはじつに複雑だ。堤防の沖側と陸側で流れの方向や速度が異なることもあれば、大きな反転流が生じる場所では沖と手前で潮が逆方向へ流れているケースもある。


Kurihamaokitei_shio


同じ地形でも潮流のわずかな角度の違いで流れの性質が変わる。その性質を読み解くことがポイント探しでは重要なテーマだ。
「潮読み」はパズルに似ている。無秩序のように見えて規則性を秘めているから、流れと地形の関係をパターン化していくと回答にたどり着く。しかし、そのパターン化が一筋縄ではいかない。何年も海とにらめっこをくり返すうちに、ある日、ふと、パズルの謎が解けるようになる。潮が見えるようになるのだ。それはじつに不思議な体験であり、その瞬間のカンゲキも釣りの醍醐味と言えるだろう。


 魚を集める魔力を秘めた潮目とは?

潮は海中を漂うプランクトンを運び、溶存酸素を運び、コマセを運ぶ。流れる先にポイントがあれば釣りは組み立てやすくなるわけだ。それが、潮読みが最重要テーマである理由だ。
したがって、釣行方面>釣行場所>釣り場>釣り座>ポイントという絞り込み順序の場合、釣り座から潮下側にポイントを探すほうが効率的ということになる。もうひとつの方法は、最初にポイントを設定してから潮の流れを逆にたどって釣り座を決める手順である。

さて。潮によって運ばれたプランクトンやコマセはどうなるのだろう。そのままどこまでも流された場合、それらは次第に拡散し、密度も薄くなってしまう。
釣りで肝心なのはポイントを絞り込む作業だが、これではポイントも拡散するばかり。ポイントは広がるが、ポイントの集魚力(魚を集める力)は低くなる一方である。
この悩みを解消してくれるのが「潮目」の存在だ。


Tsurizuki432 海面を漂う気泡が一列に並んだ。これも潮目の目安


潮目は読んで字のごとく「潮の境目」である。海にはさまざまな流れがある。それらの流れがすれ違い、ぶつかり、合流すると、一方の潮が他方の下へ潜り込んだりして渦を発生させ、その渦がプランクトンやコマセを巻き込んで滞留する。つまり、流れを止めて留まろうとするのだ。
留まったエサの密度は徐々に濃くなり、深く潜り込み、魚たちが捕食しやすい状況を作り出す。魚たちは潮目に集まり、集まった魚を求めてより大型の魚も集まる。

図に示したのは典型的な潮目発生のパターンである。潮目が地形と密接な関係にあることがおわかりいただけるだろう。したがって、地形に変化の多い場所ほど潮流が変化しやすく、魚たちを引き寄せる潮目も発生しやすくなるのだ。


Shiomezu_kai2


単純に考えれば釣り場の先端や角が有利ということになるが、必ずしもそうはいかない。風、波、サラシを加えてみると釣り座の優劣が一変するケースが少なくないのである。


Tsuizuki442 潮を読めるかどうかが釣果の分かれ目となる


次回は風、波、サラシとポイントの関係を考察してみよう。


 釣り好きオジサンの釣技指南:バックナンバー

【釣り好きオジサンの釣技指南】はじめに ~釣り、このすばらしき世界へ (第1回)
【釣り好きオジサンの釣技指南】自分の力で釣り場と釣り座を選ぶ (第2回)
【釣り好きオジサンの釣技指南】ポイントの謎解き-その1~地形から判断 (第3回)


文・写真・図:高木道郎

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